ジュリア・チャイルド/アレックス・プルドーム 著、野口深雪 訳
『いつだってボナペティ!--料理家ジュリア・チャイルド自伝--』
2009年、中央公論社
与えられた28分間、私はコンロの周りを勢いよく動き回った。泡立て器やボウルや鍋を次々に見せ、熱い照明の下で息をハアハアいわせながら、オムレツの出来栄えは上出来だった。
CIAといっても諜報機関ではない。CIA(The Culinary Institute of America)というアメリカ、いや世界の頂点に立つエリート料理学校のことである。
本校はニューヨーク州のハイドパークにあるが、カリフォルニア州ナパバレーにも学校がある。今回、訪れたのは後者のグレイストーン校だ。学校と道路を隔てた反対側は一面のぶどう畑。
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